前回、新人作家は長編を書けと申しました。短編で新人賞を受賞しても長編も書けるところを見せておかなくてはならないと。
今回は小説家の懐事情について語ります。 新人賞を受賞して版元(出版社)さんから最初に言われることがあります。 「今の仕事辞めないでくださいね」
前回は版元さんにご挨拶に伺い、デビュー長編を書くよう言われたところまで書きました。そのデビュー長編を書く以前の問題として私の前に立ちはだかりましたのが、経済的な問題でございます。
前回は大藪春彦新人賞受賞の知らせがあったところまで書きました。 知らせを受けて先ず考えたのは、バイト先を辞めなくてはいけないということでした。執筆に専念するためでございます。
出版不況、活字離れ、本が売れない。もう聞き飽きました。それなのに小説家になりたい人が、どうやらたくさんいるようです。受賞後、即デビューに繋がる公募型の文芸新人賞だけでも四十近くあります。これらの他にもライトノベル系の公募型新人賞もいくつかあるようです。小説家デビューとしては、この辺りを狙うのが順当でしょう。