しばらく無言。いくつなの?とあたし再び。いいだろ、そんなこと。と来たもんですから、面白くありません。
夫はタバコを吸い終わり、卓上ライターと同じトレイの上に置かれているスペインだかのモザイク模様の、あたしが生まれた時からここにある灰皿にタバコを押しつけてからマグカップを手に取り、でも飲まないでそのままテーブルに置いてこう切り出しました。
絶対、別れてやるもんか。どんなに頼まれたってイヤ。好きだから?まさかぜんぜん。もうそんな感情なんかあるもんですか。
「やめて」と陽奈子が言いました。彼女にもカラスとそれを操縦する婦人が見えるのでしょうか、とにかく脚で彼らを蹴り上げようとします。
と、窓を叩く音。あいつの鳴き声です。婦人がビクッとして窓の方を見、アネモネが床に落ちました。