今年の夏、2019年7月に、僕は一冊の本を発表した。それは『大阪芸大 破壊者は西からやってくる』(東京書籍)といって、当初は僕が在籍した大阪芸術大学の歴史を紐解き、他の芸大美大とは違う大阪芸大の独自性を探ろうとするものだったが、書きあがってみると何のことはない、自主映画作りに身を捧げた僕の鬱屈した四年間を、だらだらと書き連ねた回想録に成り下がってしまった。